さめたコーヒー

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深センに行ってみて、エンジニアはこんな街に身を置くべきだなと思った

深センは大都会だった。新しいものにあふれ、新しいものが作られていた。若者が集まり、若者のためのルールが作られていた。猛烈な勢いであらゆることが変化し、雑多な活気に溢れていた。皆、大金持ちになる夢を見ていた。

2017/11/10〜11/15、深センに Maker Faire Shenzhen 深圳制汇节 – October 12~14 , 2018 の開催に合わせて旅行に行った。数年ぶりの海外旅行で、初めての中国だった。主にギークハウス関係の友達とともに10人くらいでいった。Airbnbはシェアしたが、飛行機はバラバラに取ったので結構一人で旅行に行く形に近くて、でも日本人同士で情報交換も出来て、バランスが良かった。ギークハウスの協力はするが介護や干渉はしない人間関係は好きだ。

深センの基礎情報はWikipediaでも見て。 深セン市 - Wikipedia

QRコードで出来た都市

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深センでは QR コードによる決済が当たり前になっていて、誰も現金を使っていなかった。 WeChat (中国のLINEみたいなアプリ) に QR コードによる決済機能があって、どの店もこれに対応している。普通の店舗はもちろん、屋台や自転車で紅茶を売っているおっさんも、ホームレスの物乞いでさえQRコードに対応している (スマホもってるならホームレスしなくても良いんじゃ...?)。

むしろ現金を出すと店の人に「え! お前マジで!まだで現金とかつかってんの!?ちょっと今小銭ないんだけど!」みたいな顔される。こちらとしては「後進国から来たんで...サーセンッ!!」みたいな気持ちで現金を差し出すしかない。

というのも、WeChat で決済をするには予めWeChatにお金を入れておく必要があるのだが、これには中国国内の銀行口座が必要なのだ。しかし、昨年の9月頃から外国人が中国の銀行口座を作るのは厳しくなってしまって、外国人が WeChat 決済を使うのは難しくなってしまった。今回は深センに住んでいる知人に自分のWeChatアカウントに入金してもらって、WeChat決済を楽しむことが出来た。 (ちなみにクレジットカードは中国銀聯カードがたまに使える程度で、VISAやMasterCard等は基本的に使えない。銀行のATMでキャッシングすることはできる。)

WeChat 決済にはいくつかメリットがある。

■店舗側のメリット

  • 飲食店の経理をすべてWebで、しかもリアルタイムにできる
  • 店員が現金を着服することがない
  • 強盗が減る (店に現金があまりないから)
  • レジ不要
  • WeChatの決済機能は手数料無料

■顧客側のメリット

  • 財布を持ち歩く必要がなくなる
  • 店員がお金を触らないので衛生的
  • 割り勘が楽(誰かが支払ったあとで、他の人からWeChat上でお金を集めればいいから)
  • WeChatの決済機能は手数料無料

■社会的な副作用

  • スリが少なくなる(みんな財布を持ってないから)
  • 物乞いが減る (みんな現金をもってないから。ただしQRコードで物乞いするやつはいる)

端的に言って、最高!!

こんな街なので、QRコードは他にも使われている。日本で言う「○○で検索」みたいなのがQRコードになっている。また、URLや連絡先も書いてなくて全部QRコード。例えば、次は絵画工房の生徒募集の写真。

こんな感じで至るところにQRコードがあるし、皆使いこなしている。たとえどんなお年寄りであっても。本当にこの街ではスマホがないと生活できないのだ。

乗り捨て自由のシェア自転車

街中の至るところにシェア自転車がある。ofoとmobikeという会社の市場が特に強い。自転車を歩道に放置していても全く問題ないくらい歩道が広いこともあって、あらゆる場所にシェア自転車がある。知人が言っていた言葉を借りるなら「ポケモンの自転車アイテムみたい」に使うことができる。歩くのが面倒くさいときに気軽に自転車に乗って、気軽に放置できる。値段は30分1元(2017/11現在17円程度)なので格安。自転車を購入する必要さえない。自前の自転車やバイクを乗っている人もいたが、それはだいたい商用車で、個人で自転車を所有している人はほとんどいなかった。そもそも深センは街中に地下鉄がはしっているから、自転車は駅と駅の間の細かい移動で使いたいという需要が高いから自分で持ち歩くよりシェア自転車を使ったほうが便利なのだ。

常に変化する街

どの駅でも高層ビルの建築が行われている。中国政府の「ま、うちがちょっと本気出せばこんなもんっすよ」という声が聞こえてきそうなくらい賑わっている。

Maker Faire 後に日本人同士が集まる打ち上げみたいな飲み会があったので行ってみた。飲み屋は1階建ての長屋のような建物で、何件かの飲み屋が並んでいてすべてオープンテラスになっていた。深センに長期滞在している日本人も来ていて、彼によると「この飲み屋も来年にはなくなっていて、ここには六本木ヒルズみたいな巨大なビルができる」と言っていた。 深センは30年位前までただの工業地帯でしかなかった。だから目に映るほぼすべての建物は築30年未満で、全てが新しい。他の都市での課題点を研究してうまく作った都市という印象。

今日の常識は明日の時代遅れ。まるで JavaScript 界隈がここ数年続けてきたカオスな急成長を、深センではリアルな世界で行われているかのようだった。 日本が失われた20年とか30年とか言ってる間に、世界はちゃんと動いていた。

失われた30年ってお前...。僕は今28歳だ。僕が生まれる前から日本は成長していなくて、何もしてなくて、何も変わってないってことか。 たしかに80年代くらいの劇画漫画とか読んでも東京の風景があまり変わってないし、田舎の風景はなおさら変わってない。

ドローンや Uber のような新しい技術や文化が登場しても、日本では規制とか既得権益とかが強くて一向に普及しない。 もういいかげん音楽 CD とか滅んでほしいし、 FAX とかやめてほしい。 変化を拒み、新しいものを嫌い、老人中心のルールがはこびる日本。まさに後進国。

エンジニアのように新しいものが好きで、変化を好み、時代の最先端に立ちたがる人々は、深センのような街にいるほうが楽しそうだと素直に感じた。

合理主義

これはマンションのトイレの写真。和式トイレの上にシャワーがついていて、ユニットバスになっている。広さは日本のトイレの個室と同じくらいなので非常にコンパクト。シャワーを浴びたら自然とトイレが掃除される。排水につまった髪の毛を取り除くという嫌な作業をしなくていい。建築する側の事情としても、上下水を一つにまとめられるのでコストを抑えられる。なんかもう合理主義の極みみたいなユニットバス。

中国人は合理主義が多いように思う。QRコード決済が普及したのも、「便利だからこれを使おう」という合理的な理由が強いように思う。日本だと老人が「スマホは難しくて使えない」と言い出して、それに合わせて結局現金を用意しないといけなくて、普及に時間がかかるに違いない。未だにクレジットカードさえ使えない店多いし。。。

街を歩いていてもあらゆることが、「便利だから」「メリットがあるから」という理由で物事が選択されている感じがする。とても気持ちが良い。日本は何十年も前のルールが残っていたり、謎の感情論で選択された物事や、話し合いの結果の折衷案で微妙なものが作られたりするから、良いものが出来ない。

食事ってどうなの?

安くて量があってうまい。上の写真は経済飯というバイキングスタイルの店で、よく見かける。10元〜20元(170円〜340円)くらいで、肉料理2品野菜料理2品みたいに選んで食べる(肉2野菜1にすると安くなったりする)。

他にも、ラーメンが大体15元くらい。肉まんみたいなやつが 5 〜 10元。 複数人でいくようなレストランの場合、1皿 100〜200元くらいの大皿を頼んで3、4人で食べるから一人あたり50元くらい。

飲み物は、500ml水、500mlコーラは 5元程度。他の飲料は 10〜20元くらい。 レモン飲料が流行っているようだった。中国は甘党のイメージがあったけど、お茶等はめちゃくちゃ甘いってわけではなかった。日本で売ってるのと同じくらいの甘さ。

コーヒーは高くて、スタバのカフェオレTollサイズが 23元だった。コーヒー文化はまだあまり浸透していないらしく、大体砂糖とミルクが入っている。ブラック(アメリカーノ)もあるけど、あまり美味しくない。

酒については、青島やバドワイザーは安くて、350ml缶が5元。でもワインが妙に高くて 50〜200元。

こうしてみると、経済飯の安さは異常だ。スタバのコーヒーより1食分の飯のほうが安いわけだから。 しかも野菜も食べられるから栄養バランスも良い。深センは太っている人をあまり見かけなかったから、安くて量が多いものを食べていても、栄養バランスが良ければ太らないのかもしれない(結構地下鉄とかで歩いたりシェア自転車で運動しているというのもあると思うが)。

食べ物の味はどれを食べても美味しい。ピリ辛なものが多いが、辛くないものもある。僕は辛いものが好きなので、辛いものばかり食べていた。でも四川料理のような激辛はなくて、ピリ辛程度。塩分も日本より少ない気がした。薄味に感じる人もいるかもしれない。

カエル、ガチョウ、ザリガニなども食べたがどれも美味しかった。こういうものが普通に町中で買えるのが面白い。

治安とか人柄

治安はとても良かった。東京の上野や新宿、渋谷などよりよほど良いように思った。 スリや泥棒などにあうことはなく、怖いと思うようなこともなかった。 町中のコンビニで、現地人が荷物を入口付近に置いて買い物している場面さえあったから、置き引きのようなこともあまりないようだ。

深センの人々は、気さくで素直な人が多かった。僕がなんとなく道に迷っていると、指を指して教えてくれたり、何かと助けてくれた。 一人で歩いているとよく話しかけられた。これは客引きじゃなくて、僕が中国語が通じると思って、時間を聞かれたり世間話をされたりした(残念ながら中国語がわからないので申し訳なかった)。

深センはマナーも結構良かった。電車内は飲食やタバコは禁止だった。電話したり音楽を鳴らしたりしている人はいるけど、特にだれも気にしていない感じだった。子供もよく見たけど、おとなしい子が多くて、日本ほどずっと鳴いてる感じじゃなかったのは不思議だった。 歩きタバコをしている人が少しいたのはうざかったが、喫煙率はそこまで高くなさそうだった。感覚的には日本と同じかやや少ないくらい。若者はあまり吸ってなかった。屋内は禁煙という場所が多かった。

この辺はお金持ちが多いからなのか、若者が多いからなのか。

トイレは日本ほどピカピカじゃないけど、僕は気になるほどじゃなかった。紙はトイレに流さずゴミ箱に入れる場所もあったけど、臭うほどではなかったから気にしなかった。トイレで喫煙するやつがいるのはちょっと嫌だった。

Maker Faire

大学内でかなり大規模にやっていた。大学がめちゃくちゃ広い。なんか川が流れてるし…。中国の土地の広さを常々感じずにはいられない旅だった。

でも Maker Faire そのものはちょっとイマイチだった。3日やってるけど展示内容は一緒だし、出店しているものも真面目なものやビジネス目的なものが多くて、ネタに走ったものは少なかった。 今年の夏にあった Maker Faire 東京だと日めくりカレンダーを自動でちぎる機械とかあって面白かったけど、そういうのはあまりなかった。街中で売ってる iPhone の偽物の方が面白かった。たぶん、そういう偽物文化を払拭したかったのかもしれない。

一番ネタに走っていたのは、この水上を歩ける装置だろうか。人力で水上を歩けるけどめっちゃ頑張る必要があるし、とまると沈む。

PC が壊れて修理した

たまたま出会った中国で8年生活しているという日本人の方が通訳してくれて修理することが出来た。他にも iPhone や Android の修理屋は大量にあった。たぶん100件くらいあった。 日本でPCを修理にだすとメーカーに送って終わりという感じだが、深センの修理屋はテスターとハンダゴテをもって直してくれて頼もしい。 (情報抜かれたりするリスクもあるのでそのへんは気をつけたほうが良いけど)

インターネット鎖国による国内IT事業の成長と保護

中国は金盾 (国が作ってるファイヤーウォール) で google や Facebook 等の国外サービスがだいたい使えないから、国内で車輪の再発明をやっている。金盾は中国の過去の歴史を国民に見せないようにするというよりも、インターネット鎖国をすることで国内のIT産業を成長・保護する目的の方が強いように思った。バブル時代の日本も貿易を制限することで国内産業守ってたし。

もし google が使えていたら誰も google map の代替品を作ろうとは思わないが、中国は全て国内で製造する。しかも、海外の既存サービスを少し良くして真似ている。昔日本が得意だったやつ...。いまや、すっかり中国製品のクオリティが上がってしまった。

絵描きの街: 大芬

(上の方に撮影禁止とありますが、この絵を描いている女性に許可を撮って撮影してます)

大芬村 - Wikipedia

絵描きの登竜門的な街。街中の至るところで油絵や水墨画を書いている。複製画を作る人が多く、それが売れるようになるとオリジナルな絵を書けるようになるらしい。世界中に絵を売っているそうだ。絵を描いている人とたまたま話したが、台湾から来ているそうだった。中国国内から絵描きが集まっているのだろう。

ドヤ街 龙华 のネット廃人たち

このツイートは 中国版の「ドヤ街」はネトゲ廃人の巣窟? 三和ゴッドの暮らしを追う | 文春オンライン で紹介されている街。 龙华 駅付近。治安が悪いので観光客はいかないほうが良いと、後に言われた。 ネットの噂通り、大量のネカフェがあって皆ゲームをやってる。退廃的な空気。インフラの優先度としてネットが最上位にある感じがとても良い。 龙华 駅は華強北路のような中心地から地下鉄で1時間以上離れているベッドタウンのような街。

↓ 龙华 駅前の巨大マンション。これはきれいな方。

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