さめたコーヒー

kbaba1001のブログ

桐島、ぎーあみやめるってよ

突然ですが、僕が運営しているギークハウス千葉大網白里(通称:ぎーあみ)を2018年2月末をもってクローズします。 1年数か月の運営となりましたが、皆様ありがとうございました。

あ、この記事は ギークハウス新宿界隈 Advent Calendar 2017 - Adventar の11日目です。 濃い記事ばかりなので面白いです。

今回の記事のタイトルは 桐島、部活やめるってよ - Wikipedia のパロディです。でも作品の内容は知りません...。あと、ぎーあみに「桐島」という名前の住民はいません。

ギークハウス千葉大網白里とは

ぎーあみを知らない方もいると思うので、ざっくり説明します。

↓公式サイト http://geekhouseoami.com/geekhouseoami.com

↓写真 photos.google.com

↓場所

ぎーあみはその名の通り、千葉県大網白里市に存在するギークハウスです。 2016年10月に作りました。最初の住民が住み始めたのが2016年12月末頃で、そこから2017年5月まで人が増えて満室(僕入れて6人)になり、その後2017年10月頃から退去者が出始めて現在4人です。

写真を見ればわかるように日本家屋というか、古民家です。

入居した当時はほこりが積もっていたり床が抜けていたりしましたが、住民やゲストの協力により DIY(Do It Yourself) で修繕し生活しやすくしてきました。 都会と同じことをやってもつまらないかなと思って、あえてガスを契約せずに薪で生活したり、畑で野菜を育てたりしていました。 また、この物件はもともとお風呂がなかったので五右衛門風呂も作りました。

↓基礎ブロックで作った竈で鍋を作る

↓DIYで床を直す

↓五右衛門風呂とシャワーブース

なるべくお金を使いたくないということもあり、オープン当初は他の方から家具・家電を譲り受けていました。 その結果、冷蔵庫や布団などだいたいのものは買わなくても揃いました。 特にこだわらなければ十分貰い物だけで生活できるものだなという実感を得ました。

なぜクローズするのか

いくつか理由はあるのですが、トラブルによるものではありません。 ギークハウスクローズでありがちな大家さんと揉めたとかではなく、僕の判断によるものです。

ぎーあみは賃貸をDIYで直していた

一番の理由は、賃貸をDIYすることへの限界を感じたことです。 ぎーあみはDIYで住宅を直しながら住んでいるのですが、賃貸物件です。 賃料は月5万円。住民からは家賃1万円、共益費5千円(2017年10月からは7千円)なので、住民が5人住んでも利益はほぼありません。 また、DIYの材料費は地主に請求しているわけではなく、自分で払っています。 住民からの家賃収入とゲストから頂いたドネイションでは足りないので、赤字分は僕が自腹で払ってます。

なので、なるべくお金をかけずにDIYをやってきました。 例えば、床の修繕は材木屋で合版を数枚買ってきて貼ってます。この合版は1帖サイズ厚さ1cm程度で300円という格安品。ホームセンターで同じようなものを買うと1,000円くらいします。これをスクリュー釘や木ねじで床に固定します。 これだけだとザラザラして危ないので、上にクッションフロアを張ります。クッションフロアは通販で6帖サイズが12,000円程。 これにより6畳間の床の張替えが2万円以下で出来ます。

風呂小屋のような大きいものは単管パイプや張りに使う木材、耐火レンガなどがそれなりの値段するので、クラウドファンディングで資金を集めて作りました。(ファンドいただいた方でリターンを受け取れてない方は早めにぎーあみにお越しいただきたいです。ご連絡ください → ババ (@kbaba1001) | Twitter) camp-fire.jp

とはいえ、どうしてもお金が必要なものもあります。例えばトイレ。ぎーあみのトイレは汲み取り式です。悪名高い「どっぽん便所」です。 これをせめて「簡易水洗トイレにしたいね」という話が住民の中で上がっていたのですが、簡易水洗トイレは商品価格だけで6万くらいします。 これを買ってDIYで取り付けたとしても賃貸住宅では完全に掛け捨てです。 自分の持ち家であれば、シェアハウスをやめたとしても自分で住み続けるなら使えるし、売るとしてもただの汲み取りトイレよりは簡易水洗トイレの方が買い手が付きやすいというメリットもあります。しかし、賃貸となると、退去の時に一度設置した簡易水洗トイレを外して次の場所に持っていったり売ったりできる見込みも少なく、結局ぎーあみにそのまま置いていくことになりそうです。 この点は床等も同じだし、床等のDIYも合計するとそこそこの額かかっているのですが、トイレとかエアコンとか給湯器とかになってくると一度の額が大きい上、それを掛け捨てとなるとちょっとためらいが大きくなりました。

賃貸をDIYで直すことは掛け捨てに過ぎないことははじめからわかっていたので、今まで行なってきた部分に関しては掛け捨てていいと思っているのですが、ここから先となるともうお金をかけていくことが増えそうだなと感じました。 逆に言えば、安く、効果が高いDIYはだいたいやったということかなと思います。(トイレくらいなら工夫すればもうちょいなんとかなるけど)

ぎーあみで培った経験でどのように物件を直せばいいか感覚がつかめてきたので、ここらへんで家を買うことにしました。 これに関しては別途記事にします (本当はこの家を買った話の記事を先に公開するつもりだったのですが、長くなりすぎてまだ完成してません...)。 なので、2018年2月にぎーあみをクローズした後は、僕はひとまず購入した物件に引っ越します。

大網白里市の立地が千葉県の中でいまいちだった

大網に住み始めた時、近所の人から「この辺何もないからさぁ〜」みたいなことを言われて、「まぁ地方の人は皆そういいたがるしな」くらいに思ってましたが、実際なかなかロケーションが微妙でした。

まず、大網白里市は九十九里浜に面しているのですが、この九十九里浜が微妙です。 景色はなかなか良いのですが、サーフィン以外で楽しむのが難しいです。 めちゃくちゃ浅い砂浜がずっと続いているので、釣りには向きません。 釣りをしている人もいますが、餌釣りなどではなく熊手みたいな仕掛けで海底を引っ掻いてカレイ等を捕まえるという力技の釣りをやっています。 海水浴はできますが、やはり浅すぎて泳ぐという感じではありません。浮き輪に乗って波に揺られるのはそこそこ楽しいです。

f:id:kbaba1001:20171212001756j:plain ↑格好いい写真は撮れます

結局、釣りとか海水浴とかをしっかりやろうとすると勝浦や鴨川あたりまで行ったほうがいいということがわかり、 そうなるとぎーあみから車で片道1時間半くらいはかかります。

一方、普通に買い物するくらいなら近所でだいたいのものは手にはいります。イオンもありますし、隣の茂原や東金にいけばチェーン店もたくさんあります。 ぎーあみからJR大網駅まで約4kmなので、40分くらい歩けば電車にも乗れます。京葉線で東京駅までいけます。 一応千葉市の隣なので、市原とか幕張とか行くのは車で30分〜60分くらいでいけます。 木更津方面は微妙に遠くて、アクアラインに乗ろうとすると1時間半くらいかかります。

生活はできるんですけど、都会に近いわけでもなく、田舎のロケーションを満喫するにも距離があるという微妙な立地です。

僕としては、地方に住むならもう少し自然とかその地方でしかできないことを体験したいので、大網白里の何をするにも移動時間がかかる感じはちょっとイマイチでした。 ギークハウス岩手大船渡だと30分くらい車で移動したあたりでも釣りができるのでわりと面白いんですけど、大網白里はそういう田舎っぽい楽しさは少なかったです。

コミュニティ運営の難しさを感じた

これも見も蓋もない話なのですが、シェアハウスオーナーって大変なんだなという事がわかりました。

ぎーあみは立地のためか、家賃が安いせいか、集まった住民はほぼ全員ニートでした。 基本的にみんな家にいて、夕方頃起きてきて明け方寝るという生活をしていました(わずかですが昼行性の人間もいました)。 お金がなくなってきたら日当が出る程度の小さな仕事をやって、それ以外はネットでもして遊ぶという感じでした。

これ自体はギークハウスらしくていいんですが、さすがに5、6人で何ヶ月も引きこもりがちな生活をしていると、だんだん人間関係がギスギスしてきました。 お互いのささいな癖や性格が癇に障るようになり、こじれた人間関係をオーナーの僕が調停するみたいなことが増えました。

まぁ、正直、だるい。

まだ住民が外に働きに出ていれば多少気が紛れたかもしれないし、住民が集まる場所がリビング1つしかなかったのも悪かったように思います。 この手の人間関係がこじれてくる話はシェアハウスではよくあることなので、もう少し予め対策を講じておいた方がよかったと反省しています。

僕が今まで訪問した地方のシェアハウス(ギークハウス岩手大船渡や夕張など)は住民の入れ替わりが多かったので、ぎーあみも住民は2, 3か月くらいで引っ越すだろうと思っていました。 しかし、実際には半年以上住む人が多く、満室になると顔ぶれが固定された感じになりました。 皆ニートで金がなくて引っ越すのも面倒くさかったということもあって、風呂を沸かすのに1時間かかるような物件とはいえ月15,000円あれば生活できるので、 存外長期で入居する人が多かったです。

住民の入れ替えサイクルを早くするには、家賃をあげればいいのですが、ぎーあみのような変な物件で家賃をあげる気になれませんでした。 (米や牛乳などの食料品を共益費に含めたり、 DIYの赤字分をやや回収したかったこともあり、途中から共益費を5千円から7千円にしましたが)

次に似たような感じでシェアハウスを運営するときは、「入居は最大半年まで」みたいな制限を付けたり、住民が集まれる場所を2, 3箇所は用意するようにするなどの工夫をしたいと思います。

クローズに向けての活動

2018年2月にクローズするにあたり、物件の片付けをする必要があります。

家具・家電類の処分について

たくさんの方から譲り受けた家具・家電類について、すでに他の人にあげてしまったものもあるのですが、2mくらいの冷蔵庫や小型テレビ、調理器具など残っているもの、現在使用中の物あります。

これらに関しては、後日リストを作成しますので、欲しい方に譲渡していきたいと考えております。

僕が次の物件に持っていくものもあるのですが、それを差し引いても物が多いので、どなたか貰って頂けると幸いです。。。

特に2mサイズの冷蔵庫が2台あって、1台は2011年製、もう1台は2000年製なのですが、こちらを貰って頂ける方がいらっしゃいましたら助かります。 近日中に情報はまとめますが、とりいそぎ興味の有る方はご連絡ください

五右衛門風呂とその小屋の処分について

小屋は開放日イベントを開いて解体します。単管パイプなどの資源は可能であれば僕の引越し先に持っていきます。

五右衛門風呂は他のギークハウスで引き取りたいという方がいるので、その方にあげる方針で現在調整中です。

クローズパーティ

日程は調整中ですが、2月頃にぎーあみクローズパーティを開催する予定です。 後日Facebookイベント建てます。

おわり

さて、淋しい投稿となってしまいましたが、そろそろ終わろうと思います。 ぎーあみを応援してくれた皆様方、本当にありがとうございました。 おかげさまで楽しい1年数カ月を過ごすことが出来ました。

僕が購入した物件の話、そこで何をやろうとしているのか等については近日中に公開します。 こちらはひとまずシェアハウスにはせずに一人暮らしで使う予定ですが、それに飽きたらシェアハウスか開発合宿所のような場所にしたいと思っています。

次回の ギークハウス新宿界隈 Advent Calendar 2017 - Adventar はギークハウス中目黒の管理人の ymonymon さんです。