英語の技術書を読む機会が増えて書籍を探しているときにたまたま O'Reilly が書籍の読み放題やビデオレッスンの月額課金サービスを運営していることを知った。
これがすごい。めちゃくちゃすごい。もう大学行かなくていいんじゃないかというくらい勉強できる。
大雑把にできることを書くと次のようなことができる。
- 約5万冊の英語本が読み放題 (ドイツ語やスペイン語も数千冊あるけど僕が読めないので表示しない設定にしている)
- 本単位ではなく章単位でブックマークしたり、ビデオも組み合わせたプレイリストをつくって共有したりできる
- 登録されている本の内容を全文検索してくれる
- ビデオレッスンが見放題
- ライブ配信のオンライン授業も見ることができる
- カンファレンスで発表されていたIT企業の事例トークなどを見ることができる
- iPhone, Android のアプリがあるので PC 以外でも利用できる
- 料金は月$39 または年 $399 ( Online Learning Platform Pricing - O'Reilly Media )
- 10日間の無料トライアルがある
読み放題サービスについて
O'Reilly が出版している技術書やビジネス書を好きなだけ読むことができる。設定画面によると、各言語ごとに次の冊数があるようだ。
この中では僕は英語しか読めないので英語だけ表示する設定にしているが、それだけでも約5万冊あるので十分だ。 しかも今年出版されたような新しい本や、Clojureのようなマニアックな技術についての本も結構あるので満足度が高い。 価格が月$39 (約4000円) だから月に1, 2冊読めばもとが取れる。
本1冊ではなく章ごとに読ませるスタイル
本1冊まるごと読むのではなく章ごとに読みやすいようにサービスが作られているように感じる。 プレイリストという名前のブックマーク機能があるのだが、これは本をブックマークできるだけでなく章もブックマークできる。そのため「この本のある章だけブックマークしたい」という要望を簡単に実現できる。 技術書はあとから読み返したいことが多いのでこの機能はとてもありがたい。
プレイリストにはビデオも登録できる。好きな名前をつけて整理できるので僕の場合は「go」や「javascript」のような名前をつけて言語ごとに分けている。
プレイリストは他の人に公開することができるし、他の人が作った公開されているプレイリストを閲覧することもできる。 人気のプレイリストはだいたい本の章とビデオがいい感じに組み合わさっていて、新しく学びたいことのロードパスを意識して学ぶことができるようなものが多い。 例えば、ある本の入門向けの章だけ読んで、次はビデオで概要を掴んで、さらに別の本で専門的な知識を学ぶ、といったことができる。
僕は本を読んでいると「この内容は重要だと思うけど今はそこまで細かい話は知りたくないんだよなぁ」と思うことが多くて、すでに知識がある人がロードパスをまとめてくれているのはありがたい。
登録されている本の内容を全文検索してくれる
この機能のためだけに金を払ってもいいと思えるほど感動した機能なんだけど、Online Learning with O'Reilly 上の検索機能を使うと、本の中身を含めて全文検索してくれる。 例えば、RDBにおける木構造について知りたくて「SQL tree structure」みたいな言葉で検索すると、これらの単語を含んだ本とどの章にあるかを表示してくれる。
知りたいことを調べただけでどの本のどの章を読めばいいか教えてくれる。まるで大学の教授のようだ。
Kindleも購入した1冊の中で検索することはできるけど、複数をまたいでの検索はやってくれない。めちゃくちゃ便利。
ビデオレッスンが見放題
以前 Udemy にはまっていくつか動画を買ったことがある。その時は Swift について学びたかったのだが、Swift は IDE の使い方も含めて学ぶ必要があったため動画で説明があることは非常にわかりやすくて勉強しやすかった。 本だけで学ぼうとしていたら IDE のどのボタンを押せばいいのか理解するのに時間がかかっただろう。この経験を通じてビデオレッスンが本よりも適している場合があると思っている。
Udemyは毎回動画を購入する必要があるが、 Online Learning with O'Reilly では見放題なので気楽に再生したい動画を再生すればいい。 Udemyのような動画購入サービスの場合のつらい点としては、僕は英語がネイティブではない(そもそもあまり得意でもない)ので、どうしても発音やスピードで聞き取りづらいことが多く、 購入前にサンプル動画で自分に聞き取れそうかを確認してから買うけど、購入後に動画を見てみるとうまく聞き取れなくて挫折することがあった。こういう部分はレビューを当てにできない。 そのため、見放題サービスのほうが無理だったらやめればいいだけなので気楽だ。
いまいちな点としては、ビデオレッスンに一応字幕を表示する機能があるのだが、多くの動画が字幕に対応してない。たぶん今後改善されていくと思うけど、リスニング力に自信がない場合は音声認識ソフトなどを併用したほうがいいと思う。
雑感
まだサービスを使い始めて数日なので、使いこなせてないけどかなり感動したので知人に勧めまくっている。
今年に入ってから英語の勉強に力を入れていたので、その成果を利用できる環境が手に入って嬉しい。 一方で英語ネイティブ話者や堪能な人たちがこういうサービスを使って勉強しているのかと思うと、勝負するの厳しいよなぁという気持ちにもなった。
Clojure をさわり始めてから日本語だけだと資料が足りなくて英語の勉強に力を入れるようになったけど、ある程度英語の書籍を読むことに慣れてくると、 GoとかJavaScriptとかも英語で調べたほうが情報が多いし新しいし便利なのでそれらも英語で読むことが増えてきた。 そんなときに O'Reilly の読み放題サービスを知って試用してみたら、もう大学行かなくていいんじゃないかというくらい豊富な資料と勉強しやすいサービスだったのでブログ記事にしてみた。 プログラミングに限らず illustrator や Blender みたいなCG関係もあるし、プロジェクトマネジメント関係もあるし、最強なのでは…。
最近、初心者むけのプログラミング教育の月額課金サービスが増えているけど、すでにエンジニアとして働いている人向けのサービスは少ないから、 そういう人たちには Online Learning with O'Reilly はとても良いと思う。値段も $39 ならサービス内容としては安いと思うし、自分自身にとっては毎月 $39 分の勉強をしないといけないというプレッシャーになるし。
エンジニアにとって英語の勉強としてもかなり良いように思う。 DMM英会話も一時期やっていたけど、英語で話すことより話題がなくなることのほうが辛かった。 どうしても趣味とか家族とかの話ばかりになるので、どうせならプログラミングの話をしたかったけど普通の英語勉強ツールだとそれは難しい。 Online Learning with O'Reilly ならプログラミングに関する英語を勉強できるし、価格も DMM 英会話より安い (自分で話すサービスじゃないから用途が違うといえばそのとおりだが)。
こういうサービスは日本だと量が足りなくて作るの難しそうだからすごくいいと思う。